アクタージュ|59話 四月の君のネタバレあらすじ
朝陽は学祭期間は暇なので、学校をサボって映画に行こうと電話で花井を誘っていました。
しかし花井はナンパをするから無理だと、朝陽の誘いを断ります。
花井に電話を切られた朝陽の元に、吉岡からラインで動画が送られてきます。
そこに映し出されたのは夏服を着た夜凪の姿で、動画の夜凪を見て朝陽はこの眼が嫌いだと感じます。
以前朝陽は夜凪と親しくなりたいと親睦会のカラオケに誘いましたが、夜凪にバイトだと断られて冷たい視線を向けられてしまい朝陽は傷付きました。
夜凪の動画を見ながら腹立たしく思っていると、朝陽は窓の外の木が枯れている事に気付きます。
そして動画の夜凪が話始めたので、映画の一場面なのだと朝陽は気付きます。
動画の夜凪はこの頃の私は生活の事など自分の事ばかり考えていて、学校の皆は別世界の事のように感じていたと語り始めます。
続けて夜凪は、でも今は皆と繋がっていると言います。
さっきとは打って変わった夜凪の表情に、役者って凄いなと朝陽は感じます。
そして夜凪がカラオケに誘ったり一緒に映画を撮りたいけど、また怒らせてしまうと思うのでもう誘いませんと言い動画が終わります。
登校前の時間に映画撮影をしていた夜凪に、朝陽は突然話し掛けます。
そして朝陽は花井に手を出さないって約束してと夜凪に言い、杉北高映研というグループラインを作って去っていきます。
アクタージュ|59話のネタバレ感想&60話考察・期待
以前から夜凪を嫌っていた描写のあった朝陽の過去が今回明らかとなりました。
実は以前朝陽は夜凪と親しくなりたいと声をかけていた事があったようです。
しかし余裕の無かった以前の夜凪は、朝陽に冷たく接していました。
夜凪の返答の描写を見ていると、朝陽が夜凪を受け入れられない気持ちも分かります。
しかし今の夜凪は以前の夜凪とは違うという事が、ついに朝陽に伝わりました。
朝陽も仲間になったので、次回は花井が加わるのではないでしょうか。
映画部として夜凪と活動する事は、日常の生活に楽しさを見出せなかった朝陽や花井が変わる良い機会になると思います。
アクタージュ|58話 芸能人のネタバレあらすじ
デスアイランドの公開前に、テレビでもネットでも夜凪は話題になっていました。
その様子を見た黒山は、あの野郎と呟きます。
その頃アリサも夜凪が不自然に取り上げられているのは、裏で天知が糸を引いているからだと気付きます。
一方学校では、夜凪の周りにテレビを見た生徒達が集まっていました。
映画部の撮影中だからと生徒達に声をかける吉岡でしたが、ストーカーじゃないのかと言われて心が折れそうになります。
銀河鉄道の夜はあくまで舞台だったので認知度は高くはなくデスアイランドも未公開で端役でしたが、今回の件で夜凪は本格的に芸能人の仲間入りを果たしました。
夜凪は前のように演技で皆を散らすと言い出しますが、アキラに無理をさせないように言われていた吉岡は夜凪を止めます。
夜凪に無理をさせない為に吉岡は仲間を増やそうと朝陽に声をかけますが、朝陽は名前を貸すだけと言ったはずだと返答します。
吉岡が朝陽に言い返そうとしたと同時に、夜凪が困っているから手伝ってほしいと頼みます。
すると朝陽は吉岡や自分の名前も覚えてもいなかったのに、虫が良すぎると反論します。
芸能人は人を見下してるんでしょと言い立ち去ろうとする朝陽の手を握り、夜凪は友達の事を悪く言わないでと反論します。
そう思うのが普通だと朝陽に言われて部室を飛び出した夜凪は、屋上で吉岡に謝り吉岡の言う”隣の席の君”は芝居を始める前の自分なのだと言います。
そんな夜凪に吉岡は、今の夜凪が撮りたいから脚本を変えようと言い出します。
アクタージュ|58話のネタバレ感想&59話考察・期待
一旦退いたかに思えた天知が仕掛けてきました。
黒山やアリサも警戒していますが、一体天知の狙いとは何なのでしょうか。
夜凪で金儲けをしたいはずなので潰す気は無さそうですが、夜凪や黒山の意図しない方向に進んでしまわないか心配です。
映画部の撮影は2人きりなので、なかなか思うように進みません。
ついに朝陽にも声をかけましたが、案の定断られてしまいます。
夜凪自身が変わった事を示さないと、朝陽の心を動かす事は難しそうです。
次回からは脚本を変更して新しい夜凪を撮っていくので、朝陽の考えが変わる出来事が起こるかもしれません。
アクタージュ|57話 見学者のネタバレあらすじ
夜凪を心配しているアキラは、杉並北高校を訪れます。
校庭にスポーツカーで現れたイケメンに、学校は少し騒ぎになります。
アキラが廊下を歩いていると、夜凪と吉岡が撮影の為に人留めしようとしていました。
人が集まる一方で夜凪と吉岡が困っている姿を朝陽と花井も見ており、夜凪と吉岡と関わりたくない朝陽は花井にUターンしようと言います。
夜凪を見付けたアキラが声を掛けると更に騒ぎになりそうになったので、夜凪はアキラを連れてその場を立ち去ります。
その後アキラが人留めを手伝うと言いますが、夜凪は吉岡と2人で撮影したいからアキラにはお客さんでいて欲しいと言って断ります。
夜凪の成長に喜び泣き始めるアキラを見た吉岡が2人の関係は誰にも言わないと言い出すので、夜凪は熱愛していないと関係を否定します。
日が暮れてくる前に撮影しようと先程の廊下に戻りますが、人が多くて夜凪1人きりのシーンを撮る事が出来ません。
そこで夜凪がデスアイランドのゾンビを思い浮かべながら怯える演技をすると、夜凪の恐怖は周りに伝播し生徒達は居なくなりました。
その後夜凪1人のシーンを撮り終えて部室に戻りますが、夜凪の様子はおかしいままです。
役から戻って来れていないのかとアキラと吉岡は心配しますが、夜凪は自分で頬を叩いて気持ちを切り替えます。
その後の夜凪と吉岡のやり取りを見ていたアキラは、役者仲間では戻って来れる場所にはなれないから高校生の夜凪景として過ごさせているのだと黒山の狙いを感じ取ります。
アクタージュ|57話のネタバレ感想&58話考察・期待
今回も、夜凪と吉岡の撮影の話の続きでした。
それにしてもいくら夜凪が心配だと言えど、芸能人であるアキラが高校に現れたのには驚きました。
熱愛報道された後だというのに高校に堂々と現れるアキラの軽率な行動は好ましくありませんが、夜凪をかなり気にかけているので心の奥底では好意があるのではないかと思います。
学校祭編に入って夜凪の演技が少なくなっていましたが、今回人払いの為に本領発揮しました。
デスアイランドと劇団天球を経て、夜凪の演技は更に磨きがかかっており演技のスイッチを入れるのも自在に出来ていました。
問題は演技のスイッチを切れるようになる事ですが、この学校祭編で克服してくれる事でしょう。
アクタージュ|56話 隣の席の君のネタバレあらすじ
夜凪に活動休止をしている事をラインで聞いた湯島と源は、何でこのタイミングなんだと驚き心配しています。
一方の夜凪が撮影機材を一式借りて使い方を教わっていると、黒山が映画を撮るつもりなのかと聞きます。
夜凪は慌てて学校祭の放送係になったのだと一度は誤魔化しますが、天然な夜凪は黒山達に映画部で映画を撮って芝居も友達作りも一石二鳥だと思っていないと言い立ち去ります。
映画部で撮る自主映画のタイトルは「隣の席の君」で、全4シーンの10分の短編映画です。
あらすじは誰とも仲良くしておらず一人で学園生活を送る堂々とした「君」を、気付けば「僕」は目で追っているという話です。
慣れない吉岡が夜凪の機材で撮影に臨みますが、吉岡がフレームインしたり他の生徒が話しかけて来たりして撮影は全く進みません。
人数が足りないから他の2人にも頼もうと夜凪は吉岡に提案しますが、吉岡は部室を解放するという条件で廃部を免れる為に名前を借りているだけなので無理だと答えます。
夜凪がプロの知り合いに頼もうかと言うと、吉岡はそれなら夜凪に恥をかかせないで済むと安心します。
実は夜凪がプロになる前の2年になって間もない頃、夜凪の隣の席になった吉岡は夜凪でいつか映画が撮りたいと脚本を書いていたのでした。
吉岡の話を聞いた夜凪は純粋な気持ちで一緒に映画を撮りたいと感じ、吉岡のカメラで吉岡のしたいように撮る事にしました。
その後上手く撮影する事が出来た夜凪と吉岡が喜んでいると、その様子を見かけた朝陽はイライラします。
アクタージュ|56話のネタバレ感想&57話考察・期待
新章がスタートし、さっそく夜凪と吉岡は苦戦しています。
それぞれの思惑もあり本格的な作品を目指していた夜凪と吉岡でしたが、自分達のやりたいように撮影する事に切り替えました。
心の触れ合いもあり、夜凪は吉岡と友達になり黒山からの条件をこなす事が出来そうです。
この新章で夜凪は芝居や人との関係の築き方を学び、吉岡は撮影をして自信を持つのではないでしょうか。
また最後に朝陽の登場もあったので、次回は朝陽も撮影に加わりそうです。
朝陽もグダグダした日々の生活に内心イラついているようなので、物事に真剣に取り組む楽しさを感じるのではないでしょうか。
アクタージュ|55話 フツーのネタバレあらすじ
夜凪のクラスメイトの朝陽は、超美人で勉強も運動もフツーに出来るけれど変わり者の夜凪を見ていました。
すると突然夜凪が朝陽の席に寄って来て、友達になろうと言い出します。
実は夜凪は黒山に芝居の仕事をする事を止められていました。
黒山は夜凪が自分の中に違和感を感じているだろうと指摘し、突出した才能はハイエナを呼ぶので自分の定義を増やすようにと課題を出します。
それを聞いた夜凪が困っていると黒山は、学校で役者ではない普通の友達を作る事が芝居を続ける条件でそれまで役者業は休止だと言います。
必死で夜凪は声をかけましたが、朝陽達はその場を去っていってしまいます。
その後芸能人である夜凪に興味を持った男の子達が近付いて来ますが、夜凪は自分の知っている友達とは違うと感じます。
映像研究部の部室では花井がゲームをしており、花井に好意を寄せている朝陽も隣で携帯を触っていました。
朝陽が夜凪の話をすると、花井は夜凪が芸能人だという事に食い付きます。
一方夜凪が屋上で友達作りに悩んでいると、夜凪のクラスメイトの吉岡が夜凪に映画は好きかと聞いてきます。
映画好きの吉岡は、学校祭に向けて映画を撮る予定だからと夜凪を映像研究部へ誘います。
そして夜凪と吉岡が映像研究部に向かい夜凪が新入部員としての意気込みを語ると、映像研究部に所属するもやる気なんてない朝陽と花井は驚きます。
アクタージュ|55話のネタバレ感想&56話考察・期待
劇団天球編が終わり、いよいよ新章へと突入しました。
前回なぜ夜凪のオファーを全て断っているのだろうと疑問に思っていましたが、アリサの忠告通り夜凪の心はおかしくなりつつあったようです。
今後夜凪が役者を続けていく上で強くなる必要があるので、黒山は夜凪に課題を出しました。
変わり者の夜凪にとっては、普通の学生として普通の友達を作るなんて相当難しい課題だと思います。
しかし予想を裏切り、吉岡とは早速友達になれそうな様子でした。
ただそこから話を広げて、学校祭での映画製作という面白い展開となってきました。
この新章では夜凪は普通であるという事を少し理解して芝居をする上で表現の幅を広げ、今まで何となく生きてきた朝陽も夜凪に感化されるという流れになるのではないでしょうか。
アクタージュ|54話 悲劇のヒロインのネタバレあらすじ
驚く夜凪に、天知は自分が仕掛けた記事を皮切りにスターにしようと言い出します。
それを聞いていた七生は、天知が夜凪を勝手に悲劇のヒロインに仕立て上げている事に激怒します。
夜凪が複雑な顔をしていると天知は、夜凪に向かって札束をばら撒きながら不幸を武器にして芸能界で輝かせようと言い出します。
駆け付けた黒山が天知の暴走を止めに入ろうとすると、天知は黒山に善人面して宣うつもりだろうから先に言っておくと話し出します。
人の心が最も大切だと考えていると言う天知に、黒山はキャラ設定はどうでもいいから何が目的なんだと聞きます。
すると突然夜凪が、劇団天球の皆に友達かどうか確認します。
皆の返答を聞いた夜凪は黒山に自分は不幸なのかと聞くと、黒山はそれは自分で決めろと返答します。
夜凪は記事の内容をペンで書き換え、これが本当の私だと添削した記事を見せます。
そして夜凪は
「私は私の好きな私を演じる。これからもずっと。あなたとは無理。」
と言い放ちます。
すると天知は
「ドッキリ大成功」
と書かれた手のひらを見せ、どっきりだったと言って立ち去ります。
立ち去り際に天知は黒山に熟すまで待つと言い、帰りのヘリコプターの中で天知は記事の差し替えの手配をします。
その後銀河鉄道の夜の舞台はトラブルなく全日程を終え、夜凪の認知度は著しく上がります。
沢山のオファーが来るものの全部断り、黒山は
「夜凪には普通の女子高生に戻ってもらう。」
と言っています。
アクタージュ|54話のネタバレ感想&55話考察・期待
天知が現れ夜凪の心を掻き乱したかに思えましたが、夜凪は凹んでなどいませんでした。
売り込む為とはいえ夜凪の事をかなり不幸呼ばわりしていたので、それでも折れない夜凪はやはり芯が強いなと感じました。
そして夜凪の味方になってくれた劇団天球のメンバーの温もりも感じました。
阿良也が今は友達でいい発言をしていましたが、阿良也が本気で夜凪に好意があるのかも気になる展開でした。
今回はドッキリという事で天知は立ち去りましたが、いずれ夜凪が本格的に開花し始めるとまた現れそうです。
次号から新展開突入という煽りもあったので、しばらく演劇から離れるという展開になるのかもしれません。
【アクタージュ】第53話 告別式 のネタバレあらすじ
巌の葬儀・告別式が開かれ、参列者は三千人を超える程でした。
劇団天球の皆も、もちろん参列しています。
駆け付けた報道陣はアキラや阿良也だけでなく、夜凪にも注目しています。
黒山は喫煙室で遭遇した手塚から夜凪の話題を振られた後、金の匂いにつられたからなのか彼が来ていると言われます。
報道陣に囲まれたアキラは、今回の出演がコネだと噂されており巌の舞台に与える影響についてどう思うかと質問されます。
そんな不躾な質問にもアキラは、皆さんの判断に任せたいので芝居を見に来て下さいと返します。
昔のような弱さも無く完璧なアキラの返答に、質問した記者は巌の舞台で育った役者は強くなり過ぎると呟きます。
そして報道陣から離れたところに、劇団天球は移動します。
ノンアルコールでもほろ酔いの七生は、アキラにカッコ良かったと抱き付きます。
その近くでは親友だからフツーだと、阿良也が夜凪の肩を抱いています。
そこへアリサが現れ、阿良也に芝居の世界からよく帰って来たと言います。
しかしアリサはこれから先30日近い公演で繰り返し死を体験する夜凪に対して、家族の事を昔の写真のように懐かしく感じたら自分が自分でなくなる前兆だと忠告します。
更にアリサは夜凪に良い話には気を付けるように言い、その場を去っていきます。
アリサと入れ違いに現れたプロデューサーの天知は、夜凪に良い話があると夜凪の壮絶な過去を記事にした雑誌を見せながら話しかけます。
その頃アリサは黒山に天知が夜凪に接触した事を教え、役者の世界に引き込んだのだから守るようにと言います。
【アクタージュ】第53話 告別式 の感想・考察・54話の期待
前回巌の病室の様子が描かれていましたが、やはり帰って来る事はなかったようで葬儀・告別式のシーンから始まりました。
劇団天球の皆は巌の死を受け入れ、強く成長していました。
自分自身もずっと母親の影を意識していた二世役者のアキラも、一皮向けて凛々しくなっていました。
そして冷たい態度をとる事の多いアリサですが、巌に残された劇団天球や憑依させたような演技の夜凪を心配していたようです。
夜凪については、やはり周りだけでなくアリサ自身も自分と重ねてしまうのでしょう。
これからの公演だけでなく、天知にまで狙われた夜凪を助けようというアリサの優しさがひしひしと感じられる話でした。
天知の不穏な動きをしていますが、きっと黒山やアリサによって大事には至らないのではないでしょうか。
【アクタージュ】第52話 カーテンコール のネタバレあらすじ
昔稽古を見ていた阿良也は、自分は続きが見たいのに、どうしていつも同じところで終わらせるのかと、巌に食ってかかったことがありました。
皆はあの芝居はあそこで終わりなんだよとか、また阿良也の癇癪が始まったと呆れますが、カムパネルラは死んでも、ジョバンニは生きているのに勝手に終わらせるなと、彼は納得がいきません。
皆はますます呆れ果て、阿良也を無視しようとしますが、巌だけが彼の言葉に頷きます。
「そうか。物語を終わらせるのは、作り手の勝手な都合か……そりゃあ怒りたくもなるか。お前やっぱり役者になれよ」
そして現在、夜凪が去った後の舞台上ではスモークが晴れ、現実に戻ったことを観客たちに教えました。
まわりで川に落ちたカムパネルラが、もう45分も見つからないと人々が噂しているのを聞きながら、阿良也はぼんやりと立ち尽くします。
――――人は死ぬ。必ず死ぬ。だけれど、俺の人生は続く。
やがて一歩踏み出し、振り返った彼が、
「僕、もう帰らなくちゃ」
と誰に言うとも無く告げて去って行き、舞台の幕が閉じました。
ふらつく阿良也が、労う亀太郎とアキラに支えられながら、ぼろぼろの初日だったと、それでも微笑みながら呟くと、皆も笑顔でそうだなと同意します。
「でも、明日があるから。明後日も明々後日も、僕たちにはあるから」
振り返ってそう言う夜凪の首に腕を回し、彼は行こうかと言いながら、彼女を舞台の方に連れて行こうとしました。
なにと問う彼女に、阿良也は、
「カーテンコールだよ」
と答え、七生が、笑って景と言います。
舞台の上に戻った夜凪は、席を埋め尽くす観客たちから上がる歓声と拍手に、
「こんなにたくさん……いつのまに」
と呆気にとられ、アキラが、いや最初からいたけどねと呆れました。
巌に自分を利用して、いいところだけ持っていこうというのかと言われたことを思い出し、鼻を鳴らした黒山は、よく言うぜクソじじい、勝ち逃げしやがってと呟きます。
――――人は必ず死ぬ。誰かの血肉になって。俺たちの血肉になって。だから別れの言葉は、「さようなら」じゃなくていい。
「ありがとうございました」
舞台の上で手を繋いだ役者たちがそう声を揃え、頭を下げます。
スマホで巌の訃報を見たアリサは、黙祷でもするかのように、わずかに目を閉じた後呟きました。
「しばらく荒れそうね。日本を代表する演出家の死と――――」
隣で聞いていた千世子が、舞台上で顔を引きつらせる夜凪を見て、笑いながらその言葉の続きを呟きます。
「新星の発見」
【アクタージュ】第52話 カーテンコール の感想・考察・53話の期待
昔から皆とは違うところで怒ってしまい、いつも悲しい気持ちになる阿良也の言い分を、巌だけは無視せず聞いてくれて、認めてくれたことを知り、わたしはこれは皆が慕うのも無理はないと思いました。
その勝手に終わらせるなと怒ったシーンを自ら演じる阿良也が、カムパネルラが死んでもジョバンニの人生は続くのだと、もう帰らなくてはと背を向けて去って行く姿に、彼の納得する終わり方を見たような気がします。
ぼろぼろの初日だったと言いながらも、どこかやり遂げたような表情を浮かべる役者たちに、巌が危篤だという急報から始まって、色々あったのに本当によくやり遂げたものだと、わたしも拍手したい気持ちで一杯でした。
人は死んでも誰かの血肉になるから、別れの言葉はさようならでなく、ありがとうございましたでいいのだと、手を繋いで頭を下げる役者たちの姿が印象的です。
ついに亡くなった巌と、彼らはどう別れ、そして今後天球はどうなってしまうのか、気になる53話も見逃せません。
【アクタージュ】第51話 立ち方 のネタバレあらすじ
夜凪を引き留めた阿良也でしたが、2人は30秒経っても動き出しません。
芝居を見ているアリサは、巌の喪失で素晴らしい芝居が生まれたがこの舞台は失敗だと考えています。
阿良也が立ち上がれない以上、この舞台を終わらせるには夜凪が振り払うしかありません。
夜凪は巌が元気だった頃に、アリサの役者人生を絶ってしまった事を悔いて芝居で役者を救おうと劇団天球を立ち上げたという話を聞きます。
巌は才能が無くても売れなくてもアリサのように輝ける役者を一人でも育てたいという思いで劇団天球を始めましたが、周りからは裏切り者や日和った、くだらないエゴイズムだと言われてその通りかもしれないと思った事もありました。
そんな話を聞いていた夜凪に、巌は
「芝居とは何だと思う?」
と尋ねます。
夜凪は
「誰かと出会わないと演じられなくて、いなくなった人との思い出も芝居に出来る。」
と答えます。
それに対し巌は
「例え死んでも一人にはなれないという幸福に気付く事を芝居という。」
と呟きます。
舞台では一向に、阿良也は立ち上がれていません。
舞台袖では劇団天球の皆が、巌を失う事で立ち上がれない阿良也の事を心配し応援しています。
「立てるよ。阿良也。」
との巌の声を感じた阿良也は立ち上がり、また待っていてくれたんだと感じます。
そしていつもの立ち方を思い出した阿良也に、夜凪は別れを告げます。病室では幸せに満たされた巌が、アリサがいつの日か巌を育てた役者達に救われる事に思いを馳せながら旅立っていきました。
【アクタージュ】第51話 立ち方 の感想・考察・52話の期待
劇団天球の舞台もいよいよクライマックスとなりましたが、役に入り込み過ぎた阿良也がカムパネルラである夜凪に巌を重ねてしまい動きを止めてしまいました。
夜凪が巌としての言葉をかけて阿良也を導くのかと思っていましたが、阿良也が自ら立ち上がるという展開となりました。
しかしこういった展開でなくては阿良也はアリサ同様潰れてしまっていたでしょうし、別れを経験して人が成長する感動的なシーンとなったと思います。
今回で劇団天球は無事に舞台を終える事が出来たので、次回は劇団天球の皆で巌の病室に駆け付け巌と本当の別れをするのではないでしょうか。
そして巌の葬儀後に、阿良也が夜凪に称賛と感謝を伝えるという場面もあるかもしれません。
52話も楽しみで仕方がありません。
【アクタージュ】第50話 阿良也と巌② のネタバレあらすじ
彼女は星アリサといって、昔自分の舞台に立った元女優だと言い、そのような相手を舞台に出演させようとする巌に、阿良也は自分のことといい、相変わらず見境がないと呆れます。
その言葉を否定せず、傲慢だったと肯定したうえで、今の自分なら舞台の上で償えると思ってしまったのだと呟く巌は、阿良也が今まで見たことがないくらいに悲しそうでした。
まるでそれ以上の質問を拒むように、巌が親父勘定と言って席を立ちます。
話の途中だと言う阿良也に、巌は酒も飲めないガキと飲むほどつまらないものはなかったと答え、軽く詫びてから気をつけて帰れと背を向けました。
なぜそうしたのかは、阿良也自身にもわからないまま、盃を掴んで残った酒を一気に飲み干す彼に、気づいた巌の制止は間に合いません。
酒くらい飲めると強がった阿良也でしたが、次の瞬間には仰向けにその場に倒れ、巌は飲めないではないかとツッコミました。
酔った彼の視界に映る夜空の月に、銀河を走る車両の幻が重なって、阿良也は過去を思い出します。
それは国語の授業中で、「銀河鉄道の夜」の朗読が行われていた時でした。
熱心に聞いていた彼を、続きを読むようにと教師が指名します。
隣の席の女子生徒が、小声で3行目からだと教えてくれますが、わかっていると答えながらも、阿良也の口からは言葉が出てきません。
善意で教師に、代わりに自分が読むと言ったであろう女子生徒の髪を、阿良也は怒りに任せて鷲掴み、悲鳴を上げさせてしまいます。
なぜか子供のころから文字というものが頭に入ってこず、昔から皆と違うところで怒ってしまう彼は、とても悲しい気持ちになりました。
そんな阿良也を、巌は正直な良い目をしていると褒めてくれたのです。
エリと七生に自らが告げた言葉を思い出した彼は、先ほど自分を突き動かした感情も、嫉妬だったのだと理解できたのでした。
自分が役者になるから、自分だけを見ていればいいと、巌を見上げて笑い声を上げる阿良也を見下ろし、笑い上戸かと言う彼の言葉を、今なら女の役も演じられそうだからだと否定して、阿良也は七生とアキに謝らなければいけないと言います。
この期に及んで女性の名前を間違えて覚えている阿良也に、アキじゃなくてエリだろうと鼻を鳴らし、女の名前を忘れる男はモテないと言う巌に、彼は意外とそうでもないと答えました。
それから阿良也は、巌にアリサとなにがあったのか、なにを償いたかったのか問うのをやめます。
自分が一番になれさえすれば、それでいいと思えたからでした。
しかしまだこれからという時に訪れた別れに、ついに感情に歯止めがきかなくなってしまったのです。
「いやだ」
そう訴える阿良也を音響調整室から見下ろして、黒山は思います。
(手前の死を使ってここまで引き出すか。素晴らしい……嫉妬すら覚える。だが――)
辛そうに眉をひそめ、アリサは心の中で千世子に語りかけました。
芝居に溺れた人間の行く末をよく見ておくようにと。
そして巌は自分の時と何も変わっていないと、必死に夜凪の体へと縋りつく阿良也を見て思います。
(観客を魅了する、芝居を越えた芝居。それと引き換えに、あなたはきっとその芝居から帰って来れない――だから言ったのよ。役者はやめておきなさいと)
【アクタージュ】第50話 阿良也と巌② の感想・考察・51話の期待
最初自分はアリサに興味を持ち、巌の話を聞いているのだと思っていた阿良也でしたが、次第にその感情が、アリサに対する嫉妬であったことに気づかされます。
阿良也が酔って見る幻が、夜空を走る銀河鉄道だったり、彼が起きたまま見る夢が、銀河鉄道の夜の朗読が上手くできなかった時のことだったりして、わたしはどれだけ銀河鉄道の夜が好きなのかと思いました。
それだけに今回の芝居に対する思い入れが強くなってしまったのかなと。
まだこれからだと思っていたのに、突然訪れた別れの実感に動揺して、役の感情に囚われてしまった阿良也の姿は、とても痛々しく見えます。
夜凪の腰に縋りつく彼の姿を、自らの過去とでも重ねたのか、眉間に皺を寄せて、だから役者はやめておけと言ったのにと思う、アリサの姿が非常に印象に残りました。
この状況を変えられるのは、きっと夜凪だけでしょう。
舞台は無事に閉幕できるのか、気になる51話も楽しみで仕方がありません。
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